
オーボエにも仲間の楽器があるって本当?

うん。オーボエには「オーボエ族」と呼ばれる仲間の楽器があって、サイズや音域の違うタイプがいくつかあるんだ。オーケストラの曲によって、それぞれの音色が使い分けられているんだよ。
オーボエファミリーとは

オーボエファミリーとは、標準的なオーボエをもとにした、大きさや音域の異なる一群の木管楽器のことです。ヴァイオリン属にヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスがあるように、オーボエにもいくつかのサイズ違いの仲間が存在します。
いずれも「ダブルリード」と呼ばれる2枚の薄いリードを振動させて音を出す仕組みは共通していますが、楽器の長さや調(移調の有無)が異なるため、それぞれ音域や音色に個性があります。この記事では、代表的なオーボエファミリーの楽器を紹介します。
標準的な「オーボエ」(C管)
もっとも広く使われているのが、オーケストラや吹奏楽で標準的に使われる「オーボエ」です。移調楽器ではなく、楽譜に書かれた音がそのまま実音として鳴ります。クラリネットを細く長くしたような形状で、明るくよく通る音色が特徴です。
オーボエ・ダモーレ(A管)

オーボエ・ダモーレは、標準的なオーボエより短3度低いA管の移調楽器です。管の長さはオーボエより少し長く、先端には卵のような丸みを帯びたベルが付いています。この形状によって、オーボエよりもまろやかで温かみのある音色になります。
オーボエ・ダモーレは、バロック時代の作品、特にバッハのカンタータや受難曲でオブリガート(独奏的な伴奏パート)として使われることでよく知られています。
コーラングレ(イングリッシュホルン/F管)

コーラングレ(イングリッシュホルンとも呼ばれます)は、標準的なオーボエより完全5度低いF管の移調楽器です。オーボエ・ダモーレよりもさらに大きく、卵形のベルに加えて、リードとつながる部分が曲がった「ボーカル」と呼ばれる金属管を備えているのが特徴です。
低めの音域で奏でられる、どこか郷愁を感じさせる柔らかな音色が魅力で、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」第2楽章の有名なソロなど、オーケストラ作品で印象的に使われています。
バスオーボエ
バスオーボエは、標準的なオーボエの約2倍の管長を持ち、1オクターブ低い音域を担当する楽器です。製作数が非常に少なく、世界的に見ても年間で数十本程度しか作られない大変希少な存在です。
使用される曲も限られており、代表的な例としてホルストの組曲「惑星」が知られています。よく似た低音の二枚リード楽器に「ヘッケルフォン」がありますが、こちらはバスオーボエとは異なる構造を持つ別の楽器です。
オーボエ・ミュゼット
オーボエ・ミュゼットは、標準的なオーボエの3分の2ほどの管長を持つ、より小さいサイズのオーボエです。管が短い分、標準的なオーボエよりも高い音域を担当し、素朴で明るい響きが特徴です。
オーボエファミリーの比較表
ここまで紹介した楽器の違いを、簡単な表にまとめました。
| 楽器名 | 調 | 標準オーボエとの音域差 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| オーボエ・ミュゼット | 変ホ調など | オーボエより高い | 管が短く、素朴で明るい高音が魅力 |
| オーボエ(標準) | C調(移調なし) | 基準 | もっとも一般的なオーボエ |
| オーボエ・ダモーレ | A管 | 短3度低い | 卵形のベルを持ち、まろやかで温かい音色 |
| コーラングレ(イングリッシュホルン) | F管 | 完全5度低い | 卵形のベルと曲がったボーカルが特徴で、郷愁を感じさせる音色 |
| バスオーボエ | C調(1オクターブ下) | 1オクターブ低い | 管長は標準オーボエの約2倍。製作数が非常に少ない希少な楽器 |
なぜオーボエにはたくさんの仲間がいるのか
作曲家たちは、ダブルリード特有の芯のある音色を保ちながら、さまざまな音域や表情を作品に取り入れたいと考えました。ヴァイオリン属が複数のサイズで弦楽アンサンブルの音域を分担するのと同じように、オーボエ族も複数のサイズを揃えることで、明るい高音から温かみのある低音まで幅広い表現を可能にしているのです。
演奏する上での違いと共通点
オーボエファミリーの楽器は、運指(指使い)の基本的な考え方がよく似ているため、オーボエ奏者がコーラングレやオーボエ・ダモーレを持ち替えて演奏する「持ち替え」も珍しくありません。ただし、楽器ごとにリードのサイズや必要な息の量、音程感覚が異なるため、持ち替えにはそれぞれの楽器に慣れる練習が必要です。
また、楽器の構造が異なる分、キーの調整やパッドの交換など、メンテナンスに必要な知識やパーツもそれぞれ異なります。普段あまり見かけない楽器を扱う際は、その楽器の経験が豊富な楽器店やリペアマンに相談するのが安心です。
よくある質問
- オーボエ族の楽器はすべて同じ指使いで演奏できますか?
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基本的な運指の考え方はよく似ているため、オーボエ奏者がコーラングレやオーボエ・ダモーレを演奏することも多くありますが、楽器ごとにリードのサイズや音程感覚が異なるため、持ち替えには慣れが必要です。
- コーラングレはオーボエの一種ですか?
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はい。コーラングレ(イングリッシュホルン)はオーボエファミリーの楽器で、標準的なオーボエより完全5度低いF管の移調楽器です。
- バスオーボエは一般的なオーケストラでよく使われますか?
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バスオーボエは製作数が非常に少なく大変希少な楽器で、使用される曲も限られています。代表的な例としてホルストの組曲「惑星」があります。
- オーボエ・ダモーレはどんな曲で使われますか?
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バロック時代の作品に多く登場し、特にバッハのカンタータや受難曲でオブリガートとして使われることでよく知られています。
オーボエには、標準的なオーボエのほかにも、オーボエ・ダモーレやコーラングレ、バスオーボエなど、音域や音色の異なる仲間の楽器が存在します。それぞれの特徴を知っておくと、オーケストラ作品を聴くときの楽しみもぐっと広がります。楽器ごとに構造や調整のポイントも異なるため、気になることがあれば楽器店やリペアマンに相談してみましょう。


